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敷地は間口5m、南北に約40mと細長く奥に延び、崖を背負っている。敷地の「崖」という特長、施主の要望から主要な構造体をコンクリート造とした。そこへ木造建築の持つ自由度を付加していく。いまは法規が変わり、制約を受けるので過去形になるが、かつての木造は、柱と梁が主要構造であり、壁は自由に取り払うことができるのが特長のひとつであった。全てを鉄筋コンクリート造にすると、自由度を望むのは難しく、窮屈になる。さらに、高温多湿の日本では全てをコンクリート造にして室内環境を安定させるには、それなりのコストが要求されてしまう。本物件では巾1500mm、厚300mmの鉄筋コンクリートの門型フレームを3間の間隔に4本据えて水平力を持たせて主構造とし、その間に木の構造を架ける。コンクリート、そして木が規則的なのは監理のしやすさ、工期の短縮などを考慮しての選択であったが、木造建築の方法から自然に導かれたものでもある。ともかく従来の木造の柱梁構造の特長を、鉄筋コンクリートと木の混構造で試みた形となった。この門型のフレームによって生まれるハイサイドライトからは光を取り込み、上昇する風を発生させて、夏場の冷房使用を最小限に抑える。また、壁は高い吸湿効果をもつ大谷石を組積し、コンクリート、木との調和を求めた。厚みのある無垢の石は環境の面だけではなく、質感と存在感によって住まう人に安心感をもたらしてくれる。そして時間の経過に沿って、この家に重みと深みを与えてくれるだろう。 建物に住まう家族の形は変化していく。近い将来、子供たちはこの家を離れるだろう。夫婦は大きな空間で過ごしたくなるかもしれない。あるいは、小さく住みたくなるかもしれない。そのときは床、壁、天井を取払って住むこともできる。門型のフレームは家族の軌跡を残しつつ、家族の変化を許容してくれるだろう。(住宅特集2007年9月号) |
| 施工 小松建設 新昌伸 |
| 構造・構法 構造 構法:鉄骨コンクリート造一部木造 基礎:ベタ基礎 |
| 規模 階数:地上2階 敷地面積:255.67m² 建築面積:81.81m² 延床面積:159.23m² |
| 敷地条件 用途地域:第一種低層住居専用 防火指定:準防火地域 駐車台数:2台 |


